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第29話 「M3セダン:メンテナンス・レポート(1)」

(作成:2000年3月10日 改訂:2000年3月15日)

(TEXT & PHOTO : wata@M3 / E36-M3 )

1995年5月にM3を購入して、2000年3月で4年と10ヶ月/70000kmが経過しました。
SFWなどまったく無縁の並行輸入車のメンテナンスと、それにまつわるアクションについて まとめてレポートします。
まずは「慣らし」から96年末まで。



ランニング・イン

新車で購入したからには、やはり「慣らし」をしようと思い立ちました。
ムカシのクルマならともかく、現代のクルマに対する「慣らし」の必要性については さまざまな議論があるかとは思いますが、ワタシは「やらなくても問題ないだろうけど、 ま、やるに越したことはないな」ぐらいの軽い気持ちで考えて、新車に対する一種の「儀式」 のつもりでやることとしました。

しかし、慣らし運転といえば「少なくとも3000km〜5000kmぐらいまでは我慢して3000rpm以下 でチンタラ走らなきゃいけないもの」と思っていたのですが、メーカーの考え方はずいぶん 違うようです。
並行モノであるワタシのM3には、日本語の「オーナーズハンドブック」など当然付属していません。
で、イタリア語のハンドブック「USO E MANUTENZIONE」を一生懸命解読したところ、慣らし 運転についてはおおよそ以下の通りであることがわかりました。

〜2000km
 ・エンジン回転数は5500rpmまで、速度は160km/hまで。
〜5000km
 ・短時間であれば、レッドゾーンまで回してもよい。速度は200km/hまで。

・・・なんだか、「慣らし中だから」とか言って弱々しくエンジンを回したり、神経質に回転計を 凝視して3000rpmを超えないように運転したりするのがバカバカしく思えてきました。
ひょっとすると、新車のうちからある程度ブン回すほうが、あとあと良く回るエンジンに 育つのかもしれません。

数年前、友人が2年落ちワンオーナー&内外装ビッカビカのメルセデス230E(W124)を買いました。
ところがエンジンの回り方が異常に遅く、ぜんぜん走らない。
ディーラーで診てもらってもどこも悪くない。
どうやら原因は、前のオーナー(大金持ちの奥様)の走り方にあったようです。
完全に家とテニスクラブやゴルフ練習場との往復にしか使っておらず、高速道路に乗ったことも なかったのだそうです。
たぶん3000rpm以上は使ったコトがなかったのでしょうね。
かわいそうなメルセデス。

そんなことを思い出しつつ、ワタシは「メーカー推奨慣らし運転」でいくことにしました。
最初から5500rpm(&160km/h)まで使えるのですから、あまりストレスも感じず楽しく走ること ができます。
ただし、コールドスタート後で油温計が50℃を超えるまでは、3000rpm以上回さないようにする ことを心がけるようにしました(これは今でも励行しています)。
この慣らしのためかどうかはわかりませんが、7万kmを超えた現在に至るまでエンジン/駆動系 はまったくのノートラブルです。



メンテナンス(1995/05〜1996/12)

新車で購入したにもかかわらず、ワタシの並行M3はサービスフリーウェイといった素晴らしい システムを与えられていないため、自分の費用でメンテナンスをしていかなければなりません。
というコトで、懐具合を十分考慮に入れて以下のようなプログラムでいくことにしました (といっても、たいしたコトはやりませんが)。

◎前提:「並行輸入車ではあるが、このクルマは壊れない」と思い込む。
◎方針:あまりカネもないので、大がかりな点検整備は2年間に一度しかやらない。
◎施策:・エンジンオイルは、半年または5000〜6000km(ただし最初の2000kmは除く)をメドに       カーショップ等で交換する。
     ・その他の消耗品類は、都度ショップ等で交換する。
     ・2年間に一度、どこも悪くなくてもディーラーで点検整備を行う。

これであれば、なんとかやっていけそうです。
ただし「前提」でも述べたように、大きなトラブルがなければのハナシですが・・・。

95年7月、最初の2000kmを走り終えた時点で作業点検を行いました。
購入したショップに依頼して、実際の作業は正規ディーラーの工場で実施しました。
作業内容はエンジンオイルおよびフィルター交換、デフオイル交換、ミッションオイル交換程度です。
オイル類はすべてBMW純正品を使用しました。
上述の通りエンジンは5500rpmまで使ったのですが、当然不具合もなく快調そのものでした。
またこのころまでには各部の固さもとれはじめ、クルマがなじんできた(あるいは自分が クルマになじんできた)ような印象がありました。
ここから5000kmを目指し、機会があればエンジンをレッド近くまで使うように心がけました。

同年11月には5000kmを超えたため、エンジンオイルとフィルターを交換。
オイル交換程度の作業はショップやディーラーへ出すまでもないので、近くの自動車用品店で 行いました。
銘柄はCastrol RSです。
このオイルに変えた途端にエンジンが軽々と回るように感じられましたが、しばらく走ったら その印象も薄くなりました。
・・・汚れていたオイルを新しいモノに交換したのですから、直後のフィーリングは良くなって 当たり前ですね。
エアフィルタやタイヤ、サスなどを交換した際にも陥りがちな錯覚です(よく陥るんです、ワタシ)。
ここまでで、ワタシの「慣らし」は終了です。
とはいえ、5000kmまでの間でも結構エンジンをブン回して乗っていたため「あー、やっと終わった」 みたいな感慨があまりありませんでしたが。

96年は、オイル(&フィルター)交換を2度実施しただけです。
20000kmを超えた段階で奮発してCastrol Syntronを奢りましたが、値段の割にはなんだかRSと あまり差が感じられませんでした。
なので、以降のオイルはまたRSに戻すことになります。

というコトで、これまでメンテナンスにかかった費用は9万円強。
以下にその内訳をまとめてみましたが、やはり大したコトはやってないですね。
それでもM3は、元気よく走ってくれます。

実施日ジッシビ 積算セキサン距離キョリ 内容ナイヨウ アイテム 費用ヒヨウ note1 note2
950704 2,018 EGオイル交換 BMW Super Power Oil 41,558 フィルター交換コウカン 2,000km点検
950704 2,018 デフオイル交換 BMW Synthetic LSD Oil   2,000km点検
950704 2,018 ミッションオイル交換 BMW ATF   2,000km点検
951101 5,109 EGオイル交換 Castrol RS 17,222 フィルター交換コウカン  
960502 12,043 EGオイル交換 Castrol RS 13,225 フィルター交換コウカン  
961020 21,017 EGオイル交換 Castrol Syntron 20,325 フィルター交換コウカン  
累計ルイケイ       92,330    

156と、206と、箱根にて。


156と、206と、箱根にて。


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