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第19話 「Z3重大不具合発見!の巻」

(作成:1998年2月14日 改訂:1998年3月23日)

(TEXT : さし / Z3)
(PHOTO : 板 金太郎 / E36 328iC)

1.ストッパー発見!

前回報告した「JAPANの屋台骨を揺るがす重大不具合」とは!

足廻り交換の際、リヤタイヤをはずしていた金太郎さんが異様なものに気付きま した。

金さん「これなんだー!」

リヤストラットの中にゴムの塊が入っているのです。それも4個も!


Z3

よくよく確認するとその物体は、車両の輸送中にサスペンションが動くのを防ぐ ためのストッパーだったのです。
両輪の確認をすると右に4個、左に1個入っていました。

思い当たるふしがあります。
納車当初のころ、足廻りがあまりに固いことが気になり担当の営業さんに聞いた ところ、

担当営業さん「BMWは外車だからこういうのは個体差があるんですよ」

などという。
エンジニアを生業としている私としてはこの時点でおかしいとは思ったものの、 とりあえず2000km走破し、点検に出しました。
このときいくつか気になる点があったため、営業さんにいっても埒があかないの でサービスの人間に直接話しを聞いてもらいました。

さし「段差を乗り越える際に右リヤサス付近から異音がします。またサスが必要 以上に硬いのでは?」

異音についてはサービスの人間に同乗してもらい、確認させました。またサスの 硬さについては明確な解答なし。
とりあえず調査のために車を預けましたが、調査の結果は・・・・原因不明との 報告でした。

今思えば、これが全ての原因だったのかー!
体の底からめらめらと怒りが沸いてきました。

今までのトラブルにより(足廻り関係、エアコンブリーザーホース外れによるフ ロア水浸し、ISCバルブ異音など)ディーラーに車を預けた時間は結構あった はずで、それなのにこんな簡単なことに気付かないとは・・・・
もちろん自分で気付かなかったのは恥ずべきことです。

しかしっ!

金さん「これはひどすぎる。写真とブツをJAPANにおくっては?」

同感でした。
まずディーラーに怒鳴り込んでからです。



2.ディーラーにて(その1)

翌週の日曜日、はずしたサスとスペーサー計5個を携えて私のディーラー「ア○ ピ○ア○ト仙○」に向かったのでした。

あいにくフェアー開催日ではなく営業さんが数人いるばかり。私の担当営業さん もお休み。とりあえずそこにいた営業さんに、

さし「これこれこうでこういう物が出てきました」

と物を見せると、

営業さん「ちょっと上司に確認してまいります」

と奥に消え、もどってくると、

営業さん「これは納車時に特に取り外すものではないですよ。自然に外れますので」

などと無茶なことをいっているので、てめー誰にはなししてるのかわかってんの かー(ただのサラリーマンです)、とおもいつつも、

さし「するとBMW JAPANはこういった物が走行中脱落して後ろの車にあ たるようなことを危険だと思わない方針の会社なのですか?、いやそんなはずは ないのでこのディーラーでは、そういっためちゃくちゃな商売をしているのです か?あなたはそういえと教育されたのかもしれませんが、今あなたがいったこと は間違っています、大変な危険なことなのですよ」

と正論をかますと、

営業さん「少々お待ちください」

その後、

営業さん「本日はサービスの人間がいないので明後日電話をください」

といって逃げられました。
もちろんこの場合は「こちらから電話をいたしますので」または「後日御自宅にうかがいます」 が正しいわけで、この営業さんはこの局面にいたっても事の重大さに気付いてないようでした。

とりあえずその日は怒りに震えつつも、ディーラーをあとにしました。



3.ディーラーにて(2)

明後日事の重大さに気付いたサービスの人間から電話が入り、一言目には

サービスさん「このたびは大変失礼いたしました」

あたりまえです。

どうやら昨日の営業とは態度がえらいちがうぞ、とりあえず例のブツを持ってデ ィーラーに行きました。

サービスさん「確かにこれは輸送中サスが動かないようにするストッパーです。 これが外されていなかったのは完全に弊社の納車整備ミスです」

ほらほら、謝るくらいなら最初から営業さんにあんなこと言わせんじゃないよ。
ちゃんと教育しとけ。

さし「それはわかりました。しかし私は納車直後にサスが固いことと、段差を乗 り越えるときにリヤの足回りから異音がする、ということを訴えてそちらにチェ ックをお願いして1週間、車を預けました。音についてもサービスの方に同乗し てもらい確認してもらってます。そのときになにを確認したのですか?点検して ないんじゃないですか?このぶんだと定期点検においても何もしてないんじゃな いかとかんがえざるを得ません」

足廻りのチェックどころかタイヤはずせば一目瞭然な訳だから、このディーラー がまともな整備をしていなかったのは明瞭です。

サービスさん「それについては弁解の言葉もございません。まことに失礼いたし ました」

平謝り。

さし「この件についてはけっこう他にも同様の不具合にあわれた方を確認してま す。そのことからJAPANからちゃんとした作業指示が出てなかったのではな いか?とも考えられます。とにかくこのブツは現場の写真ができ次第、情況と写 真を添えてJAPANに送らせて頂きます」

でたー。伝家の宝刀!

サービスさん「それについてはいたしかたありません」

ガクッ・・・・そんな簡単に了承しないでよ。

さし「とにかくこれによって足廻りのバランスが大きく狂っているはずですか ら、まずは4輪アライメント調整をお願いできますか?」

むろんこっちはシュニツァーキットを組んじゃってるもはや改造車、しかし快く 了承して頂きました。
あとこのディーラーに対して、それまでのトラブルでも整備手帳に交換部品を記 載しない、改修内容の明確な説明がないなどが多くつねずね不満に思っていたた め、今後は整備内容、交換部品を克明に整備手帳に記入し、明確な説明をして頂 くことを約束させました。
これはディーラーにとって当たり前のことだと思います。

このあたりまだ私は怒り狂っているわけですがそれをなだめるかのように、

サービスさん「他に調子の悪いところはございませんでしょうか?」

さし「エンジンのメカノイズが気になりますね・・」

サービスさん「ちょうどいまお客様にお勧めしているリッター4000円のオイ ルがございますのでそれを入れさせて頂きます」

うわー!言ってみるもんだなー!
あと電動トップもつけて!・・・わけないだろう。

結果としてブツをBMW JAPANに送るのは取りやめにしました。
めんどくさいことは嫌いなのと、その後のディーラーの誠意ある態度によって怒 りがある程度収まったからです。

とにかくディーラーの整備がいかにあてにならないかを実感した事件でした。


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