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第55話 「M5、アクシデント発生」
(作成:2000年6月10日 改訂:2000年8月23日)
(TEXT & PHOTO : エンスー組長 / E39 M5)
<<起>>
今や完全にウィークエンド・ドライバーになってしまった小生なので、
ならし運転計画の進捗が捗々しくない、早く2000Kmを走破し、
新車点検を受けたいと思い、早く週末にならないかなあーと毎日を過ごしているのですが。
当日(6月3日)5時50分に目覚めたのを機に
(普段は深夜までインターネットで遊んでいるため早起きは苦手なのですが)、
距離を稼ごうと思い立ち、未だまどろんでいるオーナー殿に、
「2,3時間そこいらを走り回ってきます」と告げてガレージへ。
一応、車体の周りをチェックして、ドライバーズシートへ。
暖気運転中にルートを決める。「第三京浜港北IC」−>「第三京浜保土ケ谷料金所」−>
「首都高速三ツ沢IC」−>「首都高速湾岸線」−>「ベイブリッジ」−>「レインボーブリッジ」−>
「浜崎橋JCT」−>「一の橋JCT」−>「荏原出口」−>「中原街道」−>「環状8号線」−>
「第三京浜玉川IC」−>「第三京浜港北IC」で良かろう。では出発、時刻は午前6時00分。
<<承>>
今回はじめての単独有料道路走行なので、左ハンドルでのゲート通過で通行券や料金支払を体得すべく、
まずは「第三京浜港北ゲート」へ、思ったより苦も無く(車体がかなり右側に接近しすぎたが)通行券を入手し本線へ、
早朝にも関わらず、やや交通量が多い。そのままぬふわKmで「保土ケ谷料金所」(今度も右側により過ぎ)
「ハイウェーカード」で料金を払い、「首都高三ツ沢入り口」で再度料金を払い、これで暫くは運転に集中できる。
「ベイブリッジ」で事故。やや渋滞、そこを過ぎると、巡航ぬうわKmが可能になった。
右足は3500RPMをキープすべくやや緊張する。「羽田空港」を過ぎ、「東京湾トンネル」を出たあたりで、
路面のギャップを超えた時に、トランクリッドの工具が「カタカタ」と鳴った。
今日はオーディオのSWはOFFにしてあるので、周囲の音は良く聞こえる。「はて何の音だろう」。
また次のギャップで「カタカタ」、少々気になるのでスピードをぬわわKmに落とす。
突然 右後方から「バアーン!!」 「ヤヤバイ」 すぐに左側にターンシグナルを出し「路肩」へ。
「ハザードランプ」を点け車外へ。
あー 「パンク」だー。時刻は午前6時30分。
E39 M5は「スペアタイヤ」を積んでいない。本来「スペアタイヤ」が有る場所には、
「バッテリー」と「M・モビリティ・システム」が格納されている。
「M・モビリティ・システム」とは、パンクしたタイヤを応急復旧するための機器で、
「パンク応急復旧剤」をコンプレッサーで充填し、しかるべき空気圧までエアーを補充する機能がある。
復旧後は「時速80Km以下で走行し、最寄のサービス・ステーションへ直行して修理をしなさい。」と
英語で書いてある「シール」を剥ぎ取り、「プラスッチク・ホース」をジョイントし・・・うんぬんかんぬん、
と「オーナーズマニュアル」に書いてあった。
これは「千載一遇」のチャンス、この「M・モビリティ・システム」を使用してこの窮地を脱出しよう。
早速トランクから「M・モビリティ・システム」を取り出し、グローブボックスから「取扱説明書」も出し。
段々交通量が増えてくる「首都高速湾岸線」で「パンク」修理だ!!。
「取扱説明書」のとおりにセッティングし、シガーライターに電源プラグを差込、SW/ON。
おおー、パンク修理剤(乳白色)が充填されていく。
今度は、エアーの充填だ!!、3分経過、5分経過。ミシュラン・パイロット・スポーツは生き返らない。
8分経過・・・・止む無く「M・モビリティー・システム」のSW/OFF。
どうした「パイロット・スポーツ」復旧しない原因を考えている時間は無い。
さらに交通量は増えてくる、ここに留まっていては危険である。運転席に入りナビで周囲を探索。
「レインボー・ブリッジ」を下りたところに「芝浦PA」を発見、とりあえずそこに避難してその後の対策を
考えよう、機材をトランクにしまい、ハザードを点け時速5Kmで路肩を「のろのろ」。
「ハズカシー」「情けない」「みっともない」・・・・
それでも「ホイール」を壊してはいけないので、「のろのろ」 はははははは・・・・・
<<転>>
やっとのおもいで「芝浦PA」に到着。
早速SFWのエマージェンシーコールにTEL。
眠そうな声で対応にでた「ニーちゃん」にことの顛末を話す。と、
「「パンク」は故障ではないので、事故扱いになります」エエーー、だから「全額自費で」ギョギョオー。
なんて驚いていても仕方ないので、キャリアカーを手配してもらいました。時刻は午前7時00分。
「30分後にキャリアカーが到着する予定ですが、最寄のディラーでよろしいでしょうか」いいえ、
「川崎のニコル本社までお願いします。」と連絡し携帯電話の有り難味を再確認した。
「オーナー殿」にも連絡。やっと我に返り、このことをレポートしなければ、でデジカメを取り出し。
どうやら「ホイール」には損傷が無いようだ!!(よかった!!)
待つこと35分、キャリアカーが到着、事情を話し、搭載。
一路、川崎ニコル本社へ、時刻は午前7時35分。
「首都高戸越出口」を出て第2京浜国道を順調に走行して、到着。時刻は8時05分。
一人のサービスマンがシャッターを開けたばかりの工場へ入庫。
事情を説明。ショールームの鍵を開けてもらい、ソファーに腰を下ろし、やっと一息「タバコ」がうまい。
9時になるとサービス・フロントマンが出社するので、それまでは休憩。缶コーヒーを飲む。
8時55分フロントマンが出社、またまた事情を説明、「お預かりして、うんぬん・・」だから、
一刻も早く修理をお願いしたい、「ここで待っているから・・」と頼み込み、まずは「タイヤ」の確保を、
お願いする。ミシュラン・パイロット・スポーツ275ZR35 18を至急オーダーしてもらう。
午前11時に入荷するとのこと、では原因究明をお頼みする。ジャッキアップし右後輪をはずして見る。
ヤヤヤ・・・釘が刺さっている。直径2.5mm長さ50mmの錆びた釘である。
どこで踏んだかわからないが、相手が「釘」では・・・(打つ手がない・・・)
「タイヤ」到着まで時間があるので、予てからお願いしていた「アルミペダル」の装着をお願いする。
このペダルセットは3シリーズ用なので、現物合わせをしてみて、サイズがあえば装着することにしていた。
「クラッチ」、「ブレーキ」のペダルサイズはOK、これはイケルカモ?で「アクセル」はアアー、
案の定長さが足りない、3シリーズのアクセルペダルよりM5のアクセルペダルの方が3cm位長いのである。
残念、取り付けは断念した。
まだまだ「タイヤ」は到着しない。そこで「スパーク・プラグ」の取り替え方を教授してもらうことにした。
が これはちょっと素人には難しいことが判明した。「写真」を見てもらえばわかると思うが、
ダイレクトイグニッションの取り外しできっと私は「ネジ」を落とすでしょうし、一番奥のシリンダーには、
工具も差しこめないでしょう、「スパーク・プラグ」の交換は6ヶ月点検の時にディーラーにお願いしよう。
では、「バースト」した「タイヤ」を「ホイール」から外して準備しておきましょうということになった。
これがまた大仕事になり中々「ホイール」から外れない。「タイヤ」到着 時刻10時50分。
外れない理由は、「タイヤ」の車体側全周が「ビート部」と「トレット部」で切り離されているため、
力が加えられないのである。サービスマン二人がかりでようやく外す。
外れました。
「写真」のように完全に2個にわかれてしまった。(小さい輪が内側のサイドウォール)
その後、新品の「タイヤ」を「ホイール」に組み込むにも時間が掛かり、さらに「ホイールバランス」を取り、
車体に装着、念のため全ての「タイヤ」の空気圧をチェックしてもらい、オーダーしておいた部品、用品を受け取り、
事態は収拾した。時刻は午後1時15分。約7時間の予期せぬ出来事「アクシデント」でした。
<<結>>
E39 M5は現時点では世界最高水準の安全で高性能な4ドアセダンであると誰もが言うでしょう、
確かに、ボデー、エンジン、サスペンション、タイヤなど全てにおいて上質で高級なパーツを取り入れている。
ストックのまま「スピードリミッター」を解除すれば300Km/h近くのスピードが苦も無く出せるのである。
当然そのスピードを担保する「サスペンション」、「ブレーキ」、「タイヤ」があっての事である。
そこで300Km/hを担保する「タイヤ」について考察すると、各メーカーとも回転方向指定のトレッドパターンを、
採用しているし、また高出力の車ほど前後のサイズも異なる。ということは、
「万が一」のときのスペアタイヤは4本必要になる勘定だが、これは現実的ではない。
なぜなら、4本のスペアタイヤを格納するスペースが無いからです。だからM5にはスペアタイヤを装備せず、
「M・モビリティ・システム」を搭載したのでしょう。
しかし、扁平率35%のリアタイヤが完全に空気が抜けた状態で、車高は25mm位しか下がりません。
(キャリアカーに乗った状態の写真をみればお判りでしょう。)
この状況を運転中に察知するのは非常に難しいと考えます。(事実、私の場合はオーディオをオフにしていたので
前兆の異音が感知できたので、スピードを落とすことができたから、大事に至らなかったと思います。)
空気が抜けた状態で、高速で長距離を走行すれば、タイヤはバーストしてしまうことはBMWオタッキーズの諸兄は
周知のことと思います。しかし、空気が抜けたという状態をドライバーが感知できなかったら?
もっと高速で走っていたら?と思うと不安です。
今回とくに感じたことは「タイヤ」の安全性です、ミシュランのHPに「パイロット・スポーツ」の紹介が掲載されていますが、
http://www.michelin.co.jp/news/p1117.htm
サイドウォール(特に内側)の強度などは記載されていません。こんなに簡単にバーストしてしまうのでしょうか?
また、すぐにバーストしてしまうタイヤに「M・モビリティ・システム」は有効なのでしょうか?
今後、丈夫なタイヤを探して行脚の旅にでます。(JAFにも加入しようかな?)
<<B10V8に会う>>
当日、ニコル・カーズ本社で、新車のアルピナB10V8乗りのS氏に突然声をかけられた、
あの「BMWおたっきーず」の、M5乗りの「エンスー組長」さんですか?そうです!!
(感激!!あのメンテコーナーの読者ダ、しかもM5を名指しダ!!ウレシー!!)
というわけで色々お話を伺い、B10V8を見せていただきました。
ヤヤヤアーー M5ミラーが装着されているゾ!! オヤ リア・ラインセンス・プレート辺りが・・・・、
S氏曰く「遠からず日本でも横長のプレートが採用されるでしょう、その時の為に「ヨーロッパ仕様のトランクリッド」を、
装着したのでそうです。(流石に私もそこまで考えていませんでした。)
その他色々情報を頂きました、また写真も取らせていただきました。ありがとう御座います。
この情報を元にしたインプレッションは後日報告できると思います。
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