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第11話 「92年E34−525i“右ハンドル”のエアコンマイクロフィルター交換」

(作成:1998年10月17日 改訂:1998年11月13日)

(TEXT : 芝刈り / E34 525i )


☆きっかけ

僕の車は、98年の6月初めに知人から約6万6千キロ走行したものを購入 しました。

前のオーナーが昨年11月の車検時に約5万9千キロでフィルターを交換して いましたが、急に風の出が悪くなった “気がした” のと、ネット上でフィ ルター交換の記事を見つけたので、自分でやってみようかと考えました。(フィ ルター3650円はともかくとして、工賃4800円はもったいない気もしました。)

軽く考え、ディーラーへ行ってフィルターを購入、交換方法を簡単に聞いて きていよいよ交換開始です。
メカニックの方いわく、“こつさえ掴めば、右ハンドルの方が簡単です。”だ そうでした。
まさか、こんなに苦労するとは想像もせず、ニコニコと家路につきました・・・・。

以下にその方法を紹介します。


☆ 用意するもの

T-20トルクスレンチ(いじり止めには未対応で良いです。)
プラスドライバー、マイナスドライバー
眼鏡用などの精密マイナスドライバー
作業灯(グローブボックスに付ける純正オプションのライトでしましたが、片 手が塞がり、やりづらかったです)
時間とやる気
多少、パネルを割ってしまう事への覚悟。(爆笑)
たばこを沢山。それを点火できる燃料の残っているライター。


☆手順

腰痛持ちの人は、よく腰のストレッチをしておきましょう。
(半分冗談、半分本気です。)

まず、運転席側の足元ダッシュパネルをはずします。
上部に、タッピングビス4本(左から短長長短)、ペダル奥に、90度回すと 外れるプラネジ3本をはずす。
この段階では、まだパネルは外れていません。

上記パネルと、メーターの間にあるパネルを外します。
正面2個、ドア側の側面に一個のネジを外します。
この際に、精密ドライバーで、丁寧にカバーを取ります。

ステアリングコラムカバー(下側の右にある長細い物)を外します。
裏から指を入れて、つめを広げて外してください。
出来れば、カバーを全て外せると、作業が非常に楽になりますが、僕は出来 ませんでした。(割るのが恐くて)

運転席足元の穴を見て、ボンネットオープナーの反対側にフロアカーペットと 同じ色をした、3角形のパネルを外すためのネジをゆるめ、そのパネルを外す。
後で、手前に引っ張れば(ボンネットオープナー側のこと)外せる構造に なっているのが解りましたが、パネルを壊さずに奇麗に取れるのかは不明です。

最初にネジをゆるめたパネルを外すには、足元へのダクトを外す必要があります。
このダクトは、センターコンソール側に繋ぎ目があり、パネルとは外れません。
継ぎ目の留め金は一個だけですので、ダクトごと手で持って引っ張り、外します。
あっ!その前に、このパネルの右側裏に何やら丸い部品が付いていますので、 それを外してどこか適当なフレームにでも乗せておいてください。
(何の部品か解ったら誰か教えてくださいな。)

ちなみに僕の車、ここから見えるコネクタが、なぜか数個外してありました…?

配線を切る心配が無くなったら、ダクトでセンターコンソールを若干曲げてし まう事は気にせずに(苦笑)、パネルを出来るだけ下の奥(ペダル側)に押し 込んでから、上の方を引っ張ります。
もしかしたら、この時パネルが割れるかもしれませんし、作業を始める前にも う割れているかもしれません。
ちなみに僕の車は、それまでディーラー整備だったはずなのに、パネルはもう 割れていて、センターコンソールも一部破れていました。(大爆笑)

さぁ、たばこでも吸って、一服しましょう。作業は四分の一位終了です。約一 時間とたばこ数本かかりました。

エバポレーターの奥に(エンジン側)白っぽい三角状のカバーみたいのが見 えるはずです。
ちょいと頭を奥に突っ込まないと見えないでしょう。僕は、初めは解らず、本 当のカバーの手前にある黒いカバーをゆるめてしまいました。(お間抜けでした。)
さて、カバーの下にあるトルクスネジ(1本)をゆるめて、さらにエンジン側 にある基盤を、下のフックを押さえながら引っ張り、空間の確保と、配線の保 護をします。
三角カバーは、コンソール側を引っ張りあげるようにガチャガチャしてると、 ポロリと外れます。
外しにかかる前に、カバーの上方にある羽のようなフックが、どういった形で 付いているかをよーく記憶しておきましょう。

さぁ、フィルター君とご対面ですね。
上下2分割なので、下を持って引っ張るとフィルターが上下ずれながら外れます。
(左ハンドル用は、一枚物らしいです。)
僕は、再使用したかったので、間違って破れない様にブレーキペダルをかわし ながら外しました。
この時、フィルターを取り出しきっていないうちにむやみに手で持っている部 分を奥に(エンジン側に)押し込むと、エバポレーターを壊す可能性があり (エバポレーターは、フィルターから見て後方、つまり灰皿側にありま す。)、そうなったら、物凄い出費が待っている事でしょう。取り付けの時に も気を付けましょうね。(僕のは、そうなっていない事を祈るばかりです。)

さて、新品の真っ白なフィルターを戻すわけですが、向きを良く確かめ上下 にずらして まず上方を入れ、ある程度入ったら、下方を入れます…。と、書けば簡単です が、なぜか、もう3センチくらいが入りません。
20分くらい格闘した挙げ句、まだフィルターが上下ずれている段階で、奥の 方が少し下がるような力を加えながら更に押し込んだら、ストっと上が入りま した。あとは、下を押すだけです。
突然だったので、あらびっくりです。
よって、コツは分かりません。(^^;ゞ

後は、それぞれのパネルやカバーを元に戻すだけで、楽勝と思われるでしょう。
しかし、BMWとは、そんな底の浅い車ではなかったのですね。
白っぽい三角のカバー、これが実に曲者で、これを付けるだけにまた10分以 上でしょうか?掛かりました。
カチャカチャと回るレバーを一番横から一個手前にして右奥の溝に入れなが ら、さらにレバーを回しながら尚且つカバーを押し付け気味にすると付くよう です。位置が良ければトルクスネジを締めましょう。

しかし、あんな所にフィルターを置くとは、ドイツ人の手はよっぽど器用な のでしょうか?
仮に左ハンドルの車でも、そんなに簡単には交換できない気がしました。

後は、基盤と各パネルを戻しておしまいです。最初は必ず、ダクト付きのも う割れているかもしれないパネルをつけて下さいね。
この時、再び割れるかもしれない事を“気にせず”はめて下さい。
ペダル側に押し込んでから、ダクト側を先にはめると良いようです。

全部で2時間半近くも掛かってしまいました。(何本たばこを吸ったやら…)


☆感想

疲れました。
変な格好で長時間作業するので、腰痛持ちの人には、もしかしたら工賃を払う 価値もあるかもしれませんね。(←メンテ記事になってない。)
しかもこんなに苦労したのに、エアコンの風量はあまり変わりません。(大爆笑)
まだ使えたんですね。
東京などとは違い、新潟市あたりの田舎では、結構長持ちするのかもしれませ んね。(でも、フィルターは結構黒くなっていて、台所洗剤と温水で洗った ら、あっという間に真っ黒になりました。)

この型のエアコンは、E−36みたいに、負荷を検知してひとりで止まるのでしょうかね?
どなたか、知っている方がいましたら、教えて下さい。

貧乏ではありますが、腰痛持ちの僕としては、次回の交換は体調と相談とな るかもしれません。
この交換工賃でぎっくり腰が防げるのなら、馬鹿高い料金とは思えません。
(苦笑)

もっと簡単な方法や、コツなんかをどなたか知っておられたら是非お教え下さい。

また、記憶違い等による間違いの指摘も大歓迎です。


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