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第19話 「重箱の隅をつつく様に…」

(作成:2001年10月30日 改訂:2001年10月31日)

(TEXT & PHOTO : kuma3 / E21-320i )


 “バイエルンの山猫” E-21系320iA 再生物語
Vol.9:‘95年9月号 『重箱の隅をつつく様に…』




 この年、オールドタイマー・オーナー達の悲願が実り、車齢10年を越しても車検の有効期間が 2年になった。例年は4月に受けていた車検は、半年ほど乗れないのをガマンして9月に受けた。 キャタ付きの状態でも一時は10%・350ppmと致命的(というより致死的!)だった排ガス濃度も、 キャタなしで0.1%・10ppmと驚異的に改善されて、次第にスムーズな燃焼になってきたようだ。 1tを越す車体に大人5名乗車して、3速A/Tで振り回して10km/l近く伸びた時には、信じられ なかった。古めの輸入車に乗っていると「ガソリンを撒きながら走っているようなモンでしょう?」と 声掛けられることが多い。というより『疑問文』である場合が、ごく少ないのだ。冗談言わないで 欲しい。車も生きものなんだ。手を加えてやれば、ちゃんと答えてくれる相棒なんだ。ゲタ 代わり…と乗り潰してる車と混同しないでほしい。

 強力な磁界を通す事によりガソリンの分子を細かく整列させ燃焼効率を改善する(…という) フューエル・マックス、ノーマルと比べ格段に低い吸気抵抗をうたうK&Nエア・フィルターなど など『信じるものは幸いなり』的商品を続々と装備し、『国内在庫、ラスト1本』(旧車乗りは“限定!” とか“ラスイチ!”の声に弱い…万国共通なの?)で新調したANSAのサイレンサと相まって 4000rpm超の世界に陶酔したくなる。が、『不定揺動警戒速度域』であることもまた、悲しい 現実なのだ。『320i無敵化計画』の行く先に待つのは…?。

 この年、秋から冬にかけては動きの渋くなったワイパーモーターを交換(…共通部品は どしどし移植!)したくらいでいわゆる『安定期』に入ったかな。手間がかかれば煩わしく、 かからなければ物足りなく思うのも『人の性(さが)』。

@決してオーバーヒート気味というわけではないのだがエンジンルーム内に熱がこもりやすい 設計なのか、エキゾーストのダウンパイプ周辺の防振(?)パテなどはことごとく硬化して、 地肌の金属板が覗く有様。ボンネット後端のラバーモールを取り外して風の抜けを良くする 方法もあるのだが…。少し“おたっきー”な対策はラジエター両サイドへのスプリッタ の追加で、軽自動車のマッドガードを加工して製作しました。これによりグリルを通過した 風が両サイドへ逃げる事無くまっすぐに入ってくる為、冷却効率の改善に大いに役立ちます。 もちろん渋滞時はあまり効果がありません。(平均して水温計のC〜H間の1/8位下がり ました。)前縁はグリルの傾きに合せて、斜めに切り落としています。取付けは上部の タッピングビス1本で、下は噛ませ込むようにして固定しています。
(写真1〜4を参照してください)
















@バケットシート装着により、遊んでいる前席のシートの枕を後席へ流用。共布でカバーを 作り(シート表地が同じならカバーしなくても良いかも?)リヤシート・背もたれ部分とボデイの 間に脚を差し込むだけのお手軽チューン。これで、あなたもハイクラス(!?)。国産車の枕でも いけそうな気がしますが、短い1本脚では固定しにくいです。その点、長くて2歩脚の純正枕 はきっちり納まります。後方視界が若干妨げられそうですが、居住性は向上します。





〜 続く 〜


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